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おみくじ―日本とブラジルの物事の捉え方|H&Aポルトガル語教室

Oi gente! Tudo bem? こんにちは!


 日本ブラジル中央協会理事・ブラジル歯科医師・H&Aコンサルティング代表 兼 ポルトガル語講師の星淳子ナターリアです。

 ブラジルサントスで生まれ育ったブラジル日系2世で、現在は日本で暮らしています。

 




 私たちは日々の生活の中で、同じ出来事に直面しても、受け止め方が人によって大きく異なるのではないでしょうか。初詣に行き、おみくじを引いて、その結果に一喜一憂する姿は、日本のお正月の定番ですよね。とはいえ、お正月早々に「大凶」など出てしまったら、さすがに気持ちが沈みます・・・・・。

 おみくじの結果は、言ってみれば一つの「結果」です。では、その結果をどう受け止めるか。そして、もし「凶」が出たとき、それをどう受け止めるのか。

 今回は、日本の「凶と出るか吉と出るか」という考え方を手がかりに、ブラジル人の一般的な感覚から、物事の捉え方について考えてみたいと思います。


おみくじ
おみくじ

■ 「凶と出るか吉と出るか」という日本語の感覚

 日本語には、「凶と出るか、吉と出るか」という言い回しがありますよね。この表現が示しているのは、結果がどうなるかは、やってみるまで分からない、という姿勢でしょう。ただし同時に、結果が出た瞬間に、それを「凶」か「吉」かに分けて評価する感覚も含まれているように思えます。

 結果が悪ければ凶、良ければ吉。そこには、解釈の余地があまり残されていない。結果そのものが、評価を決めてしまう。そんな結果志向の感覚が、この短い言い回しの中に凝縮されているようにも感じられます。


■ それでも日本には「長い時間」で見る言葉がある

 一方で、調べてみたら日本語には、こうした結果志向を少し引いた位置から眺める次のような言葉が存在することを知りました。

  •  「人間万事塞翁が馬(にんげん ばんじ さいおうが うま」

  •  「禍福は糾える縄の如し(かふくは あざなえる なわのごとし」


「人間万事塞翁が馬」は、ある出来事が不運に見えても、それが後に幸運につながることもあり、目先の結果だけで物事の良し悪しは判断できない、という考え方。そして「禍福は糾える縄の如し」は、災いと幸せは一本の縄のようにより合わさっていて、はっきりと切り分けられるものではない、という意味だそうです。どちらも、一つ一つの出来事を、その場で「良い」「悪い」と断定することの危うさを教えてくれる言葉ですね。ある出来事が不幸に見えても、それが後に幸運につながるかもしれない。逆に、良いことが、思わぬ不幸の入口になるかもしれない。


 つまり、目の前の結果だけを見て判断してはいけない、もっと長い時間軸で物事を見なさい、という示唆だと言えますね。

 裏を返せば、こうした言葉がわざわざ存在しているということは、日本社会には「どうしても目先の結果に囚われてしまう」傾向がある、ということなのかもしれません(もとは中国の言葉のようですが・・・)。だからこそ、それを戒めるために、このような含蓄のある言葉が受け継がれてきたのではないでしょうか。


■ ブラジルでは「凶」をあまり固定しない

 では、ブラジルではどうでしょうか。

 私の経験上、ブラジル人は、日本人ほど「結果」に強く縛られていないように感じます。もちろん、うまくいけば喜びますし、失敗すれば落ち込むこともあります。でも、その出来事を即座に「これは凶だ」「悪い結果だ」と固定してしまうことは、あまりありません。

 むしろ、「まあ、そういうこともある」、「でも、ここから何とかなる」、「次に活かせばいい」といった具合に、結果を一度受け止めたうえで、すぐに次の行動や流れに意識を向かわせる人が多い印象です。


 だからこそ、ブラジルには「塞翁が馬」にぴったり一致するような、深いことわざがあまり見当たらないのかもしれません。その代わりブラジルでは、日常会話の中でよく、Ah,

tudo passa. という表現を使います意味は、「まあ、これもいつか終わるよ(全ては過ぎ去る)」、今の状況がずっと続くわけではないよという感覚で、本当によく使います。

Ah,   tudo passa.
Ah, tudo passa.

■ 「凶と吉を対比」するのではなく、「凶を凶のままにしない」

 ここで、日本とブラジルの違いを少し整理してみると、面白い対比が浮かび上がります。

 日本では、「凶」を悪ととらえ、どう避けるかとか、悪い状態に陥ったら、なぜこうなってしまったのかと落ち込んだりといった発想になりがちではないでしょうか。つまり、凶と吉は対立するもので、凶は避けるべきもの、吉は目指すべきもの、という二分法の感覚。

 一方、ブラジルでは、「凶と吉を対立させる」というよりも、「凶を凶のまま確定させない」感覚に近いように思えます。その出来事が、最終的にどういう意味を持つかは、まだ決まっていない。だからこそ、今は深く悩みすぎない。

 その時の結果よりも、今後の流れ(どうにかなる・・・)。そんな価値観が、ブラジル人の物事の捉え方の根底にあるように感じています。


■ おみくじ

 そう考えると、おみくじの「凶」も、少し違って見えてきます。

 凶が出たからといって、それで一年が決まるわけではない。むしろ、「気をつけなさい」「立ち止まって考えなさい」という、途中経過のサインなのかもしれません。

 「凶と出るか吉と出るか」


 その言葉を、結果を待つ緊張感として受け取るのではなく、結果が出た後も、物語は続いていくのだ、という前提で捉えてみる。そこに、日本語のことわざと、ブラジル的な感覚が、静かに重なる場所があるような気がします。

 凶か、吉か


 それを決めるのは、結果そのものではなく、物事のとらえ方だと思うのです。

 あくまでも個人的な意見ですが・・・・・


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