AIと心の距離:人間にしかできない「ゆらぎ」のコミュニケーションとは|H&Aポルトガル語教室
- atsukohoshi
- 4 日前
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Oi gente! Tudo bem? こんにちは!
日本ブラジル中央協会理事・ブラジル歯科医師・H&Aコンサルティング代表 兼 ポルトガル語講師の星淳子ナターリアです。
ブラジルサントスで生まれ育ったブラジル日系2世で、現在は日本で暮らしています。
最近は、新聞でもテレビでも、SNSでもAIの話題には事欠かないなと感じています。私もわからないことがあれば、Googleで検索するよりもChatGPTで質問した方が早いし、本当に便利ですごいツールができたと、日々驚かされます。でも、このAIと付き合っていると、ときどき不思議な感覚になります。知識の量でいえば、人間はもうAIには敵わないのだろうと感じています。検索も分析も説明も、まるで迷いがありません。けれど、ふと立ち止まってしまう瞬間があります。
——この言葉に「息遣い」はあるのだろうか?——この返事の裏に「心の揺れ」はあるのだろうか?
私自身、AIの技術的なことは全然わからないので、まったく確信は持てないのですが、息遣いとか、心の揺れという点で、AIと人間の間には大きな違いがあるのではないかと感じています。
AIは膨大なデータから最適解を導き、滑らかな文章をつくるのがとても得意。でも、人間にはAIにはないものがあると思います。それは愛、欲望、嫉妬、焦り、期待、不安……。そして、言葉にならない感情の「温度」ではないでしょうか。

ブラジルの人と話していると、日本人とは異なる「温度」をいつも感じています。でも同じブラジル人でも、その日の気分や体調、話題によって、表情や言葉の選び方がまるで違うこともあります。つまり、人間のコミュニケーションは平均ではなく、一人ひとりの心の「ゆらぎ」に大きく左右されているように感じることがあります。
■ AIは平均をつくる。人間はゆらぎを生きる
AIの答えは、とても「平均的である」と、とある記事で読んだことがあります。AIは大量のデータから最も可能性の高い表現を選ぶから、どうしても 「確率的に安全な言葉」になってしまうそうです。AIは確かに正確で、ぶれません。でも、その平均から外れたところにこそ、人間の魅力や才能が潜んでいることがあるように感じています。
語学も同じです。AIは文法的に完璧な文をつくりますが、実際の会話はそんなに綺麗ではありません。
例えば、ブラジル人が感情を込めて言う:
“Nossa senhora!!!”(驚き・呆れ・感動…とにかく強い感情)
“Poxa, cara…”(ため息混じりの気持ち)
“Imagina!”(相手を優しく否定して励ます)
こうした表現は、文法書には普通載っていませんし、AIも「教科書的」な答えを返すことが多いため、すぐには出てこない表現でしょう。でも、生きているポルトガル語は、AIのように完璧な表現ばかりではありません。むしろ、文法がちょっと崩れているからこそ感情が伝わることもあります。ブラジル人同士の会話には、相手の気持ちにより近づくための「崩し」や「間」があります。「場の空気」というものも存在します。オンラインレッスンで、文法を間違えたからこそ笑いが生まれる瞬間も、実際の会話ではあるわけです。これらのことは、AIにはまだ読み切れないのではないでしょうか。
■ 日本人とブラジル人。文化が違えば質問も違う。
AIが日本人と話す時と、ブラジル人と話す時は、おそらく、それぞれの文化に合わせた「最適な言語スタイル」を選択するのでしょう。もしそうならば、文化の違いを踏まえたポルトガル語レッスンも、AIに置き換えられていくのでしょうか?
私は正直、答えがまだ出ていません。ただ、こう思うのです。
AIは「一般化されたブラジル人」には強い。でも、「目の前にいる、この人だけのブラジルらしさ」には、まだ届かない。
語学レッスンで大事なのは、文法だけではありません。その人がどんな人生を歩んできたのか、どんな価値観を持っているのか、言葉のどの部分に共鳴するのかといった、「個の物語」が大事になるのではないかと思うのです。そしてこれは、会話を積み重ねて初めて見えてくるものです。
AIはそこを「推測」しますが、人間はそこを「感じ取り」、時に外し、笑い合いながら近づいていく。その「距離の縮まり方」は、まだAIには追い越せない部分だと思いますし、その縮まり方を感じ取りながら、人と人とは信頼関係を築きあげることができるのだと思います。
■ AIとどう向き合うべきか
私はAIを否定しませんし、AIの無い世界など、今後想像することはむしろ不可能だと感じています。そしてAIは学びを助けてくれる強力な味方だとも感じています。
一方で、人間の強みはもっと別のところにあるのだと思うのです。不完全さ、ゆらぎ、感情、曖昧さ。そのすべてが、実際に不確実性を含む人間同士のコミュニケーションの前提であり、それを感じ取れる学びが必要なのではないかと思います。
AIと心の距離。それは、縮まる部分もあれば、縮まらない部分もあります。だからこそ、AIを活用しながら、同時に、人間同士の「温かい会話」を大切にしていきたいと思うのです。AIは知識をくれる。でも、人と人が理解し合うのに必要なのは、知識だけではないのだと思います。
■ 最後に(学びと文化交流・H&Aポルトガル語教室)
H&Aポルトガル語教室では、ブラジルの日常生活などもテーマにしながら、楽しくレッスンを行っております。また、日本とブラジルの文化や習慣の違い、コニュニケーションの仕方の違いなどに注意しながら、確実なレベルアップを目指す効率的なレッスンを進めています。ご興味のある方は是非下👇の動画(26秒)をご覧の上、無料体験レッスンをお申し込み下さい。またH&Aコンサルティングでは、ブラジルセミナーなども開催しております。興味のある方は、ぜひホームページ(https://www.h-a-consulting.com/ )をご確認ください。
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