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ブラジルへの旅立ちの場所で——神戸移民資料館を訪れて|H&Aポルトガル語教室

更新日:11月15日

Oi gente! Tudo bem? こんにちは!


 日本ブラジル中央協会理事・ブラジル歯科医師・H&Aコンサルティング代表兼ポルトガル語教室講師の星淳子ナターリアです。

 ブラジル・サントスで生まれ育った日系2世として、そして現在は日本で暮らす者として、今回は私にとって特別な場所——先日訪問した「神戸・海外移住と文化の交流センター(神戸移民資料館)https://www.kobe-center.jp/についてご紹介します。


海外移住と文化の交流センター
神戸・海外移住と文化の交流センター



 

■ 想像してみてください。

 インターネットもスマートフォンもない時代。地球の裏側にある、見たこともない国へ行く決心をする。地図でさえ正確ではなく、頼れるのは、わずかな写真や噂話、そして数枚の手紙だけ。自分の未来を、その「未知」に託す——。

 胸に抱くのは夢と希望。しかし同時に、不安や恐れを静かに押し込んでいたはずです。


南米の地図
ブラジル

■ 神戸から世界へ旅立った人々の「出発点」

 私が訪れた神戸移民資料館は、明治から昭和にかけて、多くの日本人が南米へ渡っていったまさに旅立ちの場所です。

 ここはかつて「国立移民収容所」として機能し、約25万人もの日本人が滞在しました。医療検査を受け、語学講習で最低限の言葉を学び、最終手続きを済ませ、そして船へ——。


 行き先の中心はブラジル。新天地での生活に希望を膨らませながらも、家族や故郷を想わない人などいなかったでしょう。

 展示室には、当時の写真、荷物、手紙、渡航記録が丁寧に保存されています。それらは単なる資料ではなく、一人ひとりの歩みと覚悟が、そのまま形として残っているようでした。


■ なぜ、この場所が私にとって特別なのか

 それは——私の両親も、ここからブラジルへ旅立った移民の一人だったからです。


 私は以前のブログでも触れましたが、両親は戦後間もない厳しい時代に、より良い未来を求めて「ブラジル行き」を決断しました。十分な情報があるわけでもなく、誰も頼れる人がいるわけでもない。それでも彼らは、未来は自分たちで切り拓くものだと信じて旅立ったのです。

 資料館の廊下を歩きながら、その時の両親を自然と思い浮かべている自分がいました。

 ここに、この場所に立っていたのかもしれない。ブラジルと日本を繋ぐ広い空を見上げていたのかもしれない。言葉も文化も異なる世界に飛び込む不安を、静かに飲み込んでいたのかもしれない———— そう思っていると胸が締めつけられるようでした。


■ 苦しみもあれば、喜びもある——それが移民の現実

 両親も決して平坦な道を歩いたわけではありません。差別、言葉の壁、孤独、慣れない環境、重労働——。それでも、同じ境遇の仲間たちと助け合い、少しずつ生活を築き、笑い合い、家族を育ててきました。苦しみもあった。でも、喜びも確かにあった。

 その積み重ねが、次第に日系人たちの輪を強め、日系人コミュニティを育て、今の私につながっているのだと感じました。


■ 神戸移民資料館は「生きた証」が残る場所

 神戸移民資料館は、歴史を静かに伝える場所でありながら、同時に、多くの人々の「生きた証」そのものでもあります。もし機会があれば、ぜひ訪れてみてください。

日本とブラジルのつながり
日本とブラジルとのつながり

 いまの日本では、さまざまな国から多くの外国人が働き、学び、生活するようになりました。私自身、両親は日本人で生まれた時から日本国籍を持っていますが、ブラジルで生まれ育った人間です。その意味では、私も新しい土地で暮らす人々の気持ちがよく分かる一人です。

 希望と不安を抱えながら新しい環境に馴染もうとすること。言葉の違い、文化の違い、そして時に感じる戸惑いや孤独。そうした感情は、かつての日本人移民も、今の外国人も、そして海外で育った私自身も、時代を超えて共有してきたものだと——資料館を歩きながら改めて感じました。


 近年、日本では外国人に対するさまざまな意見や議論が聞かれるようになりました。もちろん、ルールを守らない行為に対しては、日本人と同じく厳正な対処が必要です。けれど多くの外国人は、真面目に働き、生活し、地域に溶け込もうと努力しています。

 私はブラジルで、移民として新しい土地で生きようとする人々を見てきました。そして日本にも、同じように未来を信じてやって来る人たちがいます。だからこそ、偏見ではなく「事実」を見つめ、互いを尊重し合える社会であってほしい——その思いを強くしました。

歴史を知ることは、過去を振り返るだけではなく、「今の日本社会をどうつくっていくのか」という問いにもつながります。

 

 もし機会があれば、ぜひ神戸移民資料館を訪れてみてください。日本と世界のつながり、そして現代の日本について、きっと新しい視点が得られると思います。


■ 最後に(学びと文化交流・H&Aポルトガル語教室)

 H&Aポルトガル語教室では、ブラジルの日常生活などもテーマにしながら、楽しくレッスンを行っております。また、日本とブラジルの文化や習慣の違い、コニュニケーションの仕方の違いなどに注意しながら、確実なレベルアップを目指す効率的なレッスンを進めています。ご興味のある方は是非下👇の動画(26秒)をご覧の上、無料体験レッスンをお申し込み下さい。またH&Aコンサルティングでは、ブラジルセミナーなども開催しております。興味のある方は、ぜひホームページ(https://www.h-a-consulting.com/ )をご確認ください。


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