top of page

ブラジル駐在時の治安対策と注意点—「気配」を読むということ|H&Aポルトガル語教室

更新日:4月19日

Oi gente! Tudo bem? こんにちは!


 日本ブラジル中央協会理事・ブラジル歯科医師H&Aコンサルティング代表 兼 ポルトガル語講師星淳子ナターリアです。

  ブラジルサントスで生まれ育ったブラジル日系2世で、現在は日本で暮らしており、日頃からブラジルの文化やビジネス、人との関わり方について発信しています。



ブラジルの話をすると、ほとんどの方が少し声のトーンを落として聞いてきます。


「ブラジルって、やっぱり危険なんですよね?」


その質問を受けるたびに、私はいつも言葉を探します。


というのも、私にとってその問いは「知識」ではなく、もっと曖昧で、身体に残っている記憶のようなものだからです。

目線の高さから見たブラジルの街並み
目線の高さから見たブラジルの街並み

ブラジルの街並み。交通や人の流れを把握することも治安対策の一つです。

■ サントスの空気は、今でも少し思い出せる

 私が育ったサントスの街は、明るい海の匂いと、人の声が混ざる場所でした。比較的落ち着いた街で、日常の中で強い不安を感じることはそれほど多くありませんでした。

 ただ一方で、子どもの頃、親に連れられてサンパウロに行ったときのことは、今でも印象に残っています。同じ国なのに、どこか空気が違う。


 人の多さや街のざわめきの中に、言葉では説明できない「緊張のようなもの」が混ざっているのを、子どもながらに感じていました。


 そして大人になって、一人でサンパウロを歩くようになってからは、その感覚をよりはっきりと意識するようになりました。


 たとえば、


  • さっきまで普通だった通りが急に静かになる

  • 人の歩く速度が少しだけ速くなる

  • 視線がどこか定まらなくなる


 理由は説明できません。でも、体が先に気づく。あの感覚は、今でも完全には言葉にできません。


■ 日本で暮らして感じたこと

 日本に来たとき、治安の良さには本当に感激しました。それ以上に驚いたのは、「不安が説明できる世界」だということでした。

 日本で危険な場所と言えば、自然災害を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。危険な場所は、いわゆるハザードマップとして地図で示され、注意点は言葉で整理されている。犯罪が多いところなどはそもそもあまり聞きません。それはとても安心できることです。

 私自身、日本で暮らし始めて、しばらくたつと

あの「空気で感じる判断」は、日本では必要ないのかもしれない。

このような感覚が自然に芽生えていきました。

■ ブラジルの治安は「気配」で読む——ではどう対処するか

ブラジルでの治安を説明しようとすると、どうしても数字やルールでは追いつきません。

実際の生活の中で大事なのは、

  • 誰がそこにいるか

  • その場の雰囲気はどうか

  • いつもと何が違うか

そういう「目に見えないもの」です。だからこそ、今でも思うのです。

ブラジルは「危険な国」というより、「気配を読む国」なのだと。文化や習慣を理解して安心して過ごせる場所
高角度から見たブラジルの住宅街
雰囲気を感じるブラジルの街

ブラジルの住宅街。セキュリティが整ったエリアを選ぶことも安心につながります。


では、こうした「気配」を前提に、実際に私が意識していた具体的なポイントもお伝えします。


どれも特別なことではありませんが、日常の中で積み重なることでリスクを大きく減らすものです。


【移動】

・夜間は徒歩移動を避け、Uberやタクシーを利用する。

・スマートフォンを見ながら歩かない(確実に盗まれると思ったほうが良い)

・交差点や信号待ちでは周囲との距離を少し取る


【持ち物】

・スマートフォンや財布はできるだけ見えない位置に

・必要以上の現金は持ち歩かない

・バッグは体の前側で持つ


【エリア選び】

・事前に「避けるべきエリア」を必ず確認する

・現地の人に「ここはどうか」と聞く習慣を持つ


【行動】

・違和感を感じたら、その場を離れる

・声をかけられても、無理に対応しようとしない

・「断る」ことをためらわない

・万が一強盗などに遭遇した場合は、無理に抵抗せず、身の安全を最優先に行動する。


 こうした行動は、日本ではあまり意識しないことかもしれません。でもブラジルでは、「特別な対策」ではなく、日常の一部として自然に行われているということを常に意識してください。


■ 本当に怖いのは、言葉が届かない瞬間

 大人になってから強く感じるようになったのは、一番のリスクは「状況そのもの」ではなく、状況を理解できないことだということです。

たとえば、

  • 相手の言葉の裏が読めないとき

  • 違和感を説明できないとき

  • 助けを求める言葉が出てこないとき

 その一瞬の「詰まり」が、不安を大きくします。そしてそれは、物理的な危険よりも静かに近づいてきます。


 ■ 防犯グッズは、安心の「形」にすぎない

 もちろん、防犯ブザーやスキミング防止ケース、セキュリティポーチなどは大切です。それを持つことは大きな安心材料です。でもそれらは「安心そのもの」ではなく、

安心を補助するためのツールでしかない。

 ということです。本当の安心は、もっと曖昧で、もっと内側にあるものではないかと感じています。

■ 語学を学ぶということ

 H&Aポルトガル語教室では、単なる語学の勉強ではなく、ブラジルで人と関わるための言葉を大切にしています。

 それは文法や単語というよりも、

  • 沈黙の意味

  • 距離の取り方

  • 声のトーン

  • 断るときのやわらかさ

 そういう、教科書にはあまり書かれていない部分です。私自身、ブラジルで育った経験と日本で暮らした時間の両方を通して、「言葉は安心をつくるものでもある」と感じるようになりました。

 次のような状態を目指したい方は、ぜひ一度体験にいらしてください。

  • 言葉の奥にある空気が少しわかる

  • 相手の本音を感じ取れる

  • 無理のない距離感で人と関われる

  • 不安が少し減っている

H&Aポルトガル語教室

 また、H&Aコンサルティングではブラジル赴任者向けセミナーも行っています。詳しくはホームページをご覧ください。

■ 最後に

 ブラジルのことを話すとき、私はいつも少しだけ、自分の中の時間がゆっくり戻ってくるような感覚になります。

 あの街の空気、人の声、そして説明できない「気配」。それは今でも、私の中に静かに残っています。そして日本で暮らす今、その違いを言葉にしていくことが、自分の役割のようにも感じています。

 ブラジルを知るということは、情報を増やすことではなく、

感覚を少しづつ積み重ねて研ぎ澄ましていくことなのかもしれません。

 引き続き、ブラジルに関する情報を発信していきたいと思います。是非、また読みに来ていただけたら嬉しいです。


メールマガジンの配信を希望される方は、メールアドレスを登録してください。ブログを更新しましたら、メルマガでお知らせいたします。



コメント


  • Instagram
  • Facebook
  • LinkedIn

©2021 by H&Aコンサルティング。Wix.com で作成されました。

bottom of page